なぜ書くか、あるいは15分間で何が書けるか/んなこたーない
だろう。
これは何よりも瀧口がシュルレアリストであったことに原因がある。
日本のモダニスム詩人のなかで、真のシュルレアリストと呼びうるのは瀧口ただ一人であるというのは、
大方の批評家の一致するところであると思う。
シュルレアリスムの理論はブルトンが発明したものではなくとも、
それをひとつの体系にまとめたのはブルトンの功績である。
「自動筆記」にしろ「優美な死骸」にしろ、それは文学的方法論でも言葉の意匠のためのものでもない。
その運動が目指したものは大文字の「革命」であった。
ブルトンはかなりのヘーゲル主義者のようだが、フロイトの無意識とランボーの沈黙が
彼に強い示唆を与え
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