おらあ悪党だすけ、/
渦巻二三五
むこうが夕焼けのようにあかいんだよ。
あれは長岡のまちが燃えていたんだよねぇ。きれいだったねぇ」
と、そのとき子どもだった母は、これもたった一度だけ、わたしに語ったことがある
「おじいちゃんはねぇ、逃げるのがめんどくさい、といってうちで寝ていたよ」
おらあ悪党だすけ、
おらあ悪党だすけ、
祖父のはたらいた悪事とはなんだったのか
わたしも胸苦しくつぶやく
おらあ悪党だすけ、
おらあ悪党だすけ、
地獄の閻魔様にも嫌われて、生きのびる
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