空虚/茉莉香
ぽっかりと空いた穴に私は舞い降りた
瞳も何も映さず鳴り響く足音だけが
その存在を知らしめ
誰もいないこの場所にて私は舞う
忘れよう 忘れなくていい
思い出 未練 忘却 苦しみ
渦巻いていたはずなのに
全てが一瞬にして消えた
髪の毛一本一本に染み付いていたはずの
貴方はもういない
私は空洞を埋めるために
紅茶を飲み コーヒーを飲み
友達としゃべり 全てのことをこれから行う
そのときは 貴方の隙間はもうないの
その程度だと 思うわ
強がりかしら
それでも いい
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