罪人/
なかがわひろか
青年は三つ目の罪を背負った
重くなった背中に押し潰されそうになりながら
青年は歩く
一人の同じ年頃の青年がやってくる
一つでいいから
僕の罪を背負ってくれないかい?
青年は笑って言う
どこの世界に他人の罪を背負う奴がいるかね
君は少し頭がおかしいかい?
心清き青年は
思う
心清き者は
人々にいいように使われるだけだと
心清き青年は
三つの罪と
己の気づきで
一人の罪人となる
(「罪人」)
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