きぐるみ〜パパの呪文〜/なかがわひろか
 


その辺に生きてる金持ちも
腐ったような臭いを出す浮浪者も
中身をとっかえたって
きっと誰も気づかないって

悪魔は天使の皮を被り
時々中身は入れ替わったりしてる
神すらもそれに気づかない
だから人間に助言を求めたりする
彼は天使?
彼女は悪魔?
神様はもうお手上げ

僕は気づいたんだ

結局は誰も偉くもなんともないってことに
たまたま今日当たったきぐるみが
金持ちだったり
天使だったり
貧乏人だったりするだけだってこと

ねえパパ

そうだろ

僕の皮は
明日は誰が着てくれるかな

(「きぐるみ〜パパの呪文〜」)

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