no title/一絵
 
せず、取れた腕を遠くに女は微笑んでいた。
「おい!どうすんだよ!腕・・腕取れてンジャン!」
するとあいつはごちゃごちゃした棚からアロンアルファ(瞬間接着剤)を
取り出しつぶやいた
「あ、取れてやがる。もうこいつはダメだな。」
そして女は、ユメカは、ボンドと一緒にA4サイズの棚の中に放り込まれた。
「あーあー。結構気に入ってたのに。でもまた売ってるし。
明日でもアニメイトに買いなおしに行ってくるよ。」

そう言い残し奴はキッチンへと消えていった。
先ほど女から零れ落ちたアロンアルファがカーペットをがびがびに
していて。
俺は慈愛の目をカーペットのガビガビに向けた。
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