影/はじめ
 
尽くしたままだったがしばらくして僕を抱き締め返した
 僕と影は泣いていた 影はいつしか僕の一部となっていた
 僕はその場に横になった 世界では全てが終わっていた
 僕は溜め息をついた 雲に穴を開けて 終わった世界を見下ろしていた
 気が付くと僕は自宅にいた
 僕はソファーから起き上がった 僕の心は平静を取り戻していた
 僕は台所からスプーンを持ってきて 居間でプリンを食べた
 食べ終わるとゲップした そして溜め息をついた
 頭の中で星が回っていた 北極星を中心として回っていた
 僕は瞼を閉じた 僕は僕の中で影の存在を感じた
 影はソファーから置物の時計まで鋭く伸びていた
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