少年は病的に解放する/水町綜助
すり付けられた様々な色彩や
街中でひっかけられた酒や泥
天楼に照らされて油膜に張り付いた七色のネオン管
などに塗りこめられているが
それは時に
みずからなのか
なにものかによってなのか剥ぎ取られ
解放される
たとえば街中をあまりにも速く速くすり抜けたとき
電信柱に引っ掛けてカギ裂き
そこから染み込んでくる空気が
少年を夢中にさせ
空気が
徐々に徐々に剥離させ
そして少年は病的に解放する
晴天と
土色と
薄い赤
そしてところどころ混ざり合った紫
そんな色の骨格を開陳する
そして理解されないか気味悪がられてしまう
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