5つの報告/んなこたーない
 
合わせてはいないようである。

まず注意しなければならないのは、失言と差別表現は違うということだ。
このふたつは重なるときもあるが、重ならないときもある。ハナから別物なのだから当たり前の話である。
ひとまず、失言とは場の空気が読めていない発言である、とすればいい。
デリカシーのない発言を、いくら文学あるいは哲学のレトリックを駆使し擁護しようとも、
完全に救い出すことは不可能なのである。

過去に話題になった失言のなかで、ぼくが特に印象的だったのは、雪印社長の「私だって寝てないんだ」発言である。
言われてみれば、「ん、え、あ、うん。まあ、そりゃそうだろうね」といった程度の内容である
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