初恋の日々/yoshi
 


時おり暖かいけれど

冷たい風の吹くその公園のベンチで

私は今日も彼を見る

ラジオの音が

聞こえなくなった

いつの間にか老人はベンチを立ち

木立の中を北へ向かって歩いている

すっかり冷え切った指先を

吐息で温めて

私もベンチを立つ

彼は今日も

いつもの笑顔で笑っていた

彼がいつまでも

その笑顔を忘れないでいてくれたら

私はきっと

明日もあさっても

このベンチに座り続けるだろう


これが

初恋なんだな








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