決別/海月
自分の時を持つ事を許されず
家と会社の繰り返し
日々に変化を持たすために
週刊誌なんかを買ってみたりする
誰にも話す事の出来ない思い
話した所で誰しもが
心の何処かでそんな風に
思ってみたりしている
ただ、口にしないだけ
口にした所で無意味と知っているから
夢は選択出来るものじゃなく
夢は消去法で残ったもの
水溜りに桜の花や梅の花が水面に浮いている
覗き込んだ隙間から自分の顔が映っている
それは澄み切らずに雲が残る晴れ空に似ていて
不安と期待の決別の朝だった
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