Allergie/はらだまさる
 
朝一番、
最初のセッションが終わって携帯電話の電源を入れると、
留守番電話センターからたくさんのコールが。
ひとつずつ聴いてみると、ジーザス。
それらは関空の検疫からで、なんと赤痢菌が検出されたとのこと。
要約すると「ファッキン野郎、折り返し電話下さい」だった。
消毒、隔離、入院など色んなことを考えて落ち込みそうになってしまった。
戦時中じゃないんだぜ、いい加減にしてくれ。
イエプルの水がすぐに思い浮かんだ。
しかし深刻になってはいけないな、いけないよなベイビー。
調子はよくないがよく見えるよ、この世界がさ。
人生の縮図そのものだよ、
笑えてくるじゃないか。


ママ、俺たちにはいつだってきのこ料理が必要だ、それとカレー。
欲望と云う欲望にくるまれて不幸の幸福のまま死にたいと云うようなことを
新潮文庫の百八十六頁でハリー・ハラーは告白するが、
君の歩幅で歩いてくる死はどうだ?


チャールズ・ミンガスの弾くベース音が
淫靡な雨音と、終わりの美学のない人類の会話の中で止まらない、
宇宙へと届く、音楽。





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