「ラーメンは冷めないうちにお召しあがりください。」/青の詩人
 




ある飲食店でラーメンを注文した
数分後 店員がラーメンを持ってきた
「ラーメンは冷めないうちにお召しあがりください。」
そう言って彼は去って行った


何かに似ている気がするその食べ物を
店員の言うとおり すぐに詰め込もうとしたが
熱すぎてとても口をつけられなかった

冷めるまでしばらく外の往来を眺めていたら
今度は冷めすぎてしまっていて
とても食えたものではなかった

その時の僕は
ラーメンをほとんど残して店を出て行ったのだが

一度冷めてしまった感情を最後の一滴まで飲みほすのは
なかなかしんどいことではあるのだが
誰かを愛するってそういうことなんじゃないのか!!
たとえ熱すぎても冷めすぎていても
誠意を持って飲みほすことが愛なんじゃないのか!!


彼はこう言うべきだったんだ
「ラーメンは冷めてからもお召しあがりください。」



2002年2月




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