宇宙の宿す、影の頃/なかがわひろか
宇宙が地球を影す頃
そろそろお家に帰らなきゃ
おいしそうな夕飯の匂い
あの子の家はカレーかな
いいないいな、おいしそう
僕の家はどんな匂いかな
好きな物が出るといいな
宇宙は今日も影を宿す
夜がだんだん近づいて行く
ああやだな
夜なんて来なけりゃ
ずっとずっと遊んでいられるのに
もっともっとみんなといたいな
嫌いな子も
好きな子も
一緒に遊べたら
誰でもいいや
じゃあね、バイバイ
宇宙が明日を戻してくれるまで
退屈だけど
待っていよう
僕の家の匂いが近づく
いい匂い
よかったな
よかったな
僕のお家も
カレーみたい
（「宇宙の宿す、影の頃」）
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