こどんのかげ/ねなぎ
矛盾を内包した
混沌を焼成させ
いびつで
歪んで
壊れかけて
婉曲された
不快な構造の重心を
岩場で支えているのだった
その腑分けされた時に
流れ出した内の
何割が
赤いのか
それとも黒いのか
その海の色は
潮の流れなのか
それとも浅瀬なのか
試す事は無かった
その駅に関する事の資料は
今では残っておらず
酷い音がして何も残っては居なかった
建設に失敗した資料等は
全ては削られてしまって
そのまま海へと落下していた
関った人間達の
事勿れ主義と
消したい過去の遺物として
底には抉られた傷跡を笑うように
どす黒い海が
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