子猫と母猫の物語/eris
太陽が真上にある頃
お気に入りの空き地の隅
子猫一匹 丸まって眠ってた
少し離れた所では
猫が一匹 死んでいた
子猫が起きそうになって
僕は急いで隠れた
しばらくして目覚めた子猫
ゆっくり歩き出した
死んでいる猫の方へ
子猫はニャーニャー鳴きながら
その猫の顔を舐めている
「起きて」って 必死に伝えていた
子猫にはわからなかったんだ
その猫が もう二度と起きないという事に
ついに子猫は
舐めるのをやめた
鳴くのもやめてしまった
それは 太陽が町に沈んでいく頃だった・・・
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