言葉/青の詩人
 



自分さえよければいいのだと
平気で人に投げつけるナイフ
一度ささったナイフはなかなか抜けない

みんなが幸せならそれでいいと
心をこめてつくってあげるシチュー
一度飲んだシチューの味は忘れることができない


言葉はときにナイフのようで
言葉はときにシチューのようだ

どっちも心に残るのならば
僕はシチューを選びたい


だが
時には気づかぬまま
ナイフを手にすることも

そんなとき
そのナイフで
「ごめんね」のシチューをつくってあげられたなら



言葉はときにナイフでつくるシチューのようだ


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