Nobember Tales./芳賀梨花子
なって
瞼を閉じることもしないで
息をしなくなってしまったら
やはり貴方は泣くだろう
「礼儀正しいルイのように」
いつでも礼儀正しいルイは
意外に残酷で
容赦なく短剣で心臓を一突きするんだって
それでは別れの言葉を聞くことができないよ
だから
いつでも礼儀正しいルイのように
お別れの挨拶はしないでおこう
「物語の終わりに待っているものの行方を知ろう」
湖に沈んでいく終止符
舞い散る木の葉のように
11月の恋人よ
また歌をうたって
「幻想と愛情の花咲く野へ続く季節は今この時であること」
秋だから
春はまだ遠い
11月の恋人よ
生き抜きたまえ
11月を生きるのだ
戻る 編 削 Point(9)