ノーブス・オルド・セクロルム/atsuchan69
世界同時革命の僅か数秒前――
雪の溶けた路面に滲んだ血の色を見下ろす
LED信号機と、旧いアナログの時計台、
やがて爆撃されるであろう
銀行、教会、幾多の官公庁
崇高な思想に値しない愚者ども
街をゆき交う、冬着を纏った女、子供たち
憂鬱な夜を記した
「方法と手段」
つまり、
善悪を超越した
短絡的な理想への近道‥‥
或いは、
地獄。
すなわち、
一刻も早く
この世界を終わらせるため
人間という名の
脆弱な端末に上書きされた
純粋な意志、そのもの
きっと最初から、
心など持たない機械が失敗しないように、
引き金に触れる指は
躊躇などし
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