恋あるいは衰弱について/
吉田ぐんじょう
送信箱は君の名前で埋め尽くされて
まるで呪っているみたいだ
わたしはブーツにつま先を差し入れ
矢張り思い直してスニーカを履いた
紺色のリーボック
今からハローワークへ行かなくてはならない
携帯をひらいて君へのメールに
返信をしようとしたものの
どうがんばっても
論理的な文章は書けそうに無かったので
あとまわしにすることにした
深呼吸をして一歩踏み出す
掻き卵みたいに心臓が痛んだ
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