2年後、成人式か・・・。/かのこ
人だということにアイデンティティを持っている?
一生書いて生きたいって思ったのはあの頃だった。
人生に成功しても、失敗してしょぼくれても、死ぬまで書いて生きたいって思ってた。
子供なりにそこにあった絶望の中で、詩だけは全部許してくれた。恋人以上に信頼してた。
実際イカれて生きる必要性なんかはないんだろう。分かってる。
仕事や人付き合いで、ドタキャンもせず遅刻もせず、決まった時刻の電車に乗れたら多分それだけで充分だ。
大人になれたんだ、とは思わない。ただ、つまらない人間になったなって。
そのことを詩にすることもできずに、毎晩そう思ってから床に就くようになった。
これを書いたからってどうにかなるものでもないな。多分、明日も明後日もこれを繰り返して床に就くよ。そうしてまた時間通りに出勤するから。
ただし、自分の詩にグッド・バイを言うつもりもなければ、そんな勇気もない。
戻る 編 削 Point(9)