みどりいろの生活/なかがわひろか
とんどの人生を過ごした
みどりいろのご飯は
少し錆付いていたけれど
それでも無いよりは
マシだった
みどりいろのベッドで見る
みどりいろの夢は
野放しのバクの格好の餌となって
半分以上が食べられたけど
それでもそれなりに
暮らしていくことができた
ある日
みどりいろの母さんは
少し色の濃いみどりいろの病気にかかって
死んだ
ぼくらは少し悲しかったけれど
みどりいろのお墓を買って
みどりいろの母さんの骨を
そこに納めた
ちょうどいいみどりいろがあったから
それだけでもよかったと
ぼくらは胸をなでお
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