小説の習作 原稿用紙三頁 /田中教平
彼は何度も風呂に入った。その度に膝の違和感は消えて、気づくと又痛み出した。
遂に風呂の栓を抜くと、シャワーで髪と体を洗った。
その間、ユウスケは情緒と論理について考えて、又、芥川龍之介の事を考えていた。
さっき見た動画では作家の田中慎弥氏が、芥川と言えば何が一番良い作か、という問いに、「杜子春」を挙げていた。ユウスケは「歯車」ではないかと考えていたが、やっぱり田中慎弥氏は「歯車」の名も挙げて、しかし、
その筋はどうだったか、と言って、やっぱり「杜子春」が良いのではないか、と言っていた。
ユウスケはこの日、情緒の事を考えていたから、芥川作品を印象的に頭の中で取り扱いながら、
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