醜男ナルキッソス/ただのみきや
 
さかしまに 
 映る水面のゆらめきへ
なにを浮かべた
 われを忘れて

環を広げ
 恋しひとつを飲み込んで
水は緑の
 底なしの面(おも)

さざめきを
 にわかに宿し日の金貨
むくろ浮かべと
 鏡に跳ねて


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