カオルの音    蒼風薫/梅昆布茶2
 
思いなら私の方がと諦める意味の種蒔き可愛がる冬


叶わずに終わった願いは人の世を背負った花の中でアネモネ


あなたから私からというでなく明日の光が解していたり


カーネーション誰かもらってくださいと泣いた日がある春がまた来る


俯いておしまい思うその前の其の前の日を思い出したい


再会を誓う樹が一本の若い樹である切り株はない


目まぐるしき町に住みおり一年でまるで余所者デジャビュすらなし


理不尽を汚れた言葉で泣き尽くし汚れた言葉で汚れた言葉は年の瀬のごみ


振り向いて見得る小石は原石で明日の私はまた歩くだろう










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