けもののうた/秋葉竹
 

 

悲しみが
映るまさおで美しい
空を飛べれば凍ってもよい



その夜の
心を凍らすほど貴(たか)い
満月ほどの清さを持ちたい



凍らない
涙は熱く頬つたい
ただヒリヒリと傷を刻むか



ぽよぽよと
たゆたう月や星のした
《真剣》を手に切り込む快楽



そのけもの
だけが悲しいほど好きで
そうかじぶんに似ているからです




月に舟
いっそう浮かべて姫さまの
千年むかしの恨みを聴こうか




ただ言葉
だけがすべてを伝えない
空気ではない真心伝われ




枯れ枝を
なんねんみすごし生きて来た
風よ光よ未来よごめんね






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