空から落ちた雲/秋葉竹
いまはもう
ただ気楽に生きたいものだと
最後の希いなんて
そんなものかなぁ
すこしだけ
光り輝いていた日々があったか
甘くて苦くて美味しくて
ずっといっしょにいたいひともいたか
または
そんなものはいわゆる
想い出補正とか云うヤツか
まぁ
なんでもいい
届けたい想いがあったことだけは
ほんとうなのだから
みあげると
こんな空はみたことがない
なにかを湛えた空だった
あ
たぶんこらえきれずに
落ちそうになっている
と
ずーっと白い薄い小さな雲を
みつづけていた
結果的に
想像どおりになって
その雲はゆっくりゆっくりと
大きなボタン雪みたいに
落ちて来た
そしてその雲が
どこに落ちるのかに
ひとびとはまるで無関心に
日々の営みを
あくせくとつづけてゆくだろう
わたしはただ
気楽に生きたいものだと
いつもいつも
空をみあげつづけているだろう
戻る 編 削 Point(1)