Scrambled eggs/あらい
 


ひらかれることのない傘が舗道の粒に包まれてく
(ミントの味がしたぼくは噛まずに喉へおくった
カーテンのはるかぜがチープなほこりをくゆらす

 ゲートではない

ふるいテープに託す みづにおとなう
多言語案内板の裏面に、あわだつ
通信をわずかに振動させる。褪色

 そこは立ち止まったひとたちなのさ

爪の間にのこった土がかわき誰の骨をけずり
ゆくことを
体の芯が/とまとスープで/みたされない

まだ届かないきみは目を凝らしぎょっとする参列者で。
背にういた鱗をしっていて、にげた蛇は知覚に隠れる。

(ずっと、切り 離して 走る 口を 開けた、いまだ)

[次のページ]
戻る   Point(2)