ひとつの希いの果て/秋葉竹
 


予感が走った
彷徨った音が夜空から降って来るだろう

美しい幕引きみたいに
世界の魂を震わせて
救いもない物語の色をしてそっとそっと

命はいつもエリアを超えて
冬の街へ遊びにゆきたがるから
そろそろと降る雪が真っ白な愛を許すから

愛を知りたい寒い宇宙に輝くルビー

手も届かない星で燃えあがる究極の愛

ただひそやかにだれにも云えずにいた
そんなことわかっていたのに
今から振り返ってみると立ちすくみ
流した夢の数だけ魂は滅んだか

わからないまま孤独にたどり着いた聖地

ただ闘うことだけを呪縛にするなと
その退屈ささえありきたりだと云うなら
凍える悲しみの祝福を君に捧げようか




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