存在を認める/杉原詠二(黒髪)
存在を認め合うと
何が起きるか
お互いに顔を見あって
赦しあう
声をかけあう
気にしあう
自分の過去を詮索されず
ただいっしょにいてくれる
そしてわたしのことを考えてくれる
わたしはずっとそうしてきたよ
己の防御を解くことが出来る相手を
見つけられた
だからわたしは
わたしは身体の苦しみに飲み込まれ
己の心がいかに傷ついているか
気づかなかった
わたしは誰かの前で泣きたかった
愛していると言って欲しかった
でも人は
言っていいことと悪いことを分かっている
涙と思いやる嘆きを見た日
わたしのこころはぐさぐさとやられた
他人のために泣いている
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