ザ・ロード/花形新次
死が怖い訳では無い
死の後に残さざるを得ない
あらゆるもののことを考えると
怖くて仕方ないのだ
ザ・ロードの主人公は
息子を残して亡くなったけれど
人類の希望を託すように奇跡が
息子を待ち受けていた
もうどう転んでも
救いようのない世界にだって
「火は灯され続けている」というのだ
なあ、本当に
そう信じて構わないのだろうか?
俺も主人公のように
火を運び続けると決意すれば
神は何処かで見ていてくれるのだろうか?
疑うことが既に過ちだというのなら
俺はこの一編の文章を
希望の火の中にくべてやる
そして今からただ南に向かって
歩き出そう
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