小舟/the end of the story/ひだかたけし
避けるべくも無く襲い来る
大嵐のうねり大海の高波
胸奥の十字架高く鋭く
血飛沫散らし魂の宙空へ
持ち上げられ解き放たれ
大破する小舟跡形もなく
赤々と染まる異様な大空に
幾筋も亀裂入れ次々走る稲妻
次いで地に迄ずんと響く雷鳴
極限に達する自然の破壊創造美
意識の私を瓦解させつつ
尚も自然を継承しながら
精神の進化成し遂げるのなら
崩れ去る己を置いたまま
破滅の果てに待ち受ける
終わりの始まりから
与えられる前進への駆動力
担い得る意識を強め明るませ
何れ死の門を前にして 、
この救いなき圧倒から個体の死を生かさんと
宙空貫き漲る想い思考意志の何処迄も
今の無意識なる私個性を烈火の灼熱に曝す
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