見えているのなら難しくない/ホロウ・シカエルボク
常に高速で回転し続けている脳味噌がオーバーヒートしないことは我ながら驚くべきことだと言わざるを得ないがそれでも時々は余計な邪魔が入ったりして中断せざるを得ない瞬間がある、そういう邪魔を仕掛けるのも間違いなく自分自身なのだがそれはほとんど別人といってもいいくらいのパーソナリティーの違いというものがあり言ってみれば俺の抜殻みたいなものだ、どうしたって人間はそういう意に反する存在というものを抱えているがそれに気づくことが出来るのは規律や規則でがんじがらめになっている人間じゃない、それは俺のように自分の為に生き続けている人間にしか気づくことが出来ない、俺は時折そいつに出会う瞬間に十代の頃の自分と対峙し
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