気づき/
◇レキ
朝だ
扉を一つ開け放つ
爽やかな陽射し
冷たい微風
部屋の腐ったへその緒や胎盤
何度も吸っては吐き出され淀んだ思考
それら腐臭を少しづつ解き放つ
世界の約束を分かっていく
凍った水たまりを踏み割っては歩くように
僕はやがてほぐれ健やかになるだろう
僕の歩いている道は
もうすでに人が通ってきた道だ
けれど正しい苦しみ方は
自分で見つけてゆくしかない
世界にこぼれている
慈悲に満ちたほほ笑みは
静かに気づきを促している
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