行き先不明(改稿)/泡沫の僕
 
彼女は激怒した
「私は貴方を理解できない。
貴方がそれを拒否するからだ。」
きょう未明、彼女はそう言って部屋を出た。

大凡36度の熱源を失った部屋で、
僕は寒さに震えて結末を考える。

有象無象のニヤケ顔。
奴等の額にロケットが突っ込んで、
その上に大きな月が輝く。
反射された光は輪郭を少し浮かび上がらせただけで、
細部は妄想で補われた。

全ては妄想で作り上げられた。
惨めったらしく追いかけた僕も、
ジャズを聞きながらバーボンを飲む英雄も。
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