没落からの上昇/ひだかたけし
光り輝く大洋の
視界なめらか滑り出し
何処までも何処までも
伸び拡がり揺蕩いゆくを
見守り続けるだけの
静まり返った眼差しが
意識の軒先で雨宿りし
もういいだろう
いけ、いけ、いけ
何時しかすっかり上がる
哀しみの雨から
絶望すら絶え尽くした
代わり包み込む蒼穹の青に促され
拡がり伸びる大洋の遥か水平の軌道上 、
この今の瞬き巨大な火焔の太陽の
昇ったり降りたり昇ったりしつつ
終わりへと向かい硝煙燻るこの世界から
光り輝く大洋へと
燃え盛るイノチの火を放つ
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