虹色れいん(改訂)/ひだかたけし
 
一瞬にして 、
光の回廊の現れ出て
頭くらくら意識の鮮やか
飛び散る血飛沫に染め抜かれ
自らの終わり観える瞬き、
警告のベルの鳴り渡り
光景の涯てなど掻き消し潰され

美しき夜明けも深き夜更けに沈み
此の世に置かれた高きハードル想い識る 、

どうせ全て始まり生き沈み終わりまた始まり
なんて、

(貴女と浅間山に向かって石を投げ合った夕暮れ
決して忘れないけれどと)

眠り際に現れ出る意識の光景
無限永久の感触を知覚しながら
もうこれで良いじゃないかと想う
また瞬間 、

虹色の雨の降り頻り終わること無く
(触れ合った肘と肘の感触響き来て)

もう殺して呉れ殺して遣れよと
延命措置にて藻掻き苦しむ果てに
あの人この人の去る この夜今の瞬間に 、

ガラス戸開ければ向かい家にぽっと明かり灯る

私たちは今の処 この一瞬でしか出逢えないからと。




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