私の妹/花野誉
今夜は妹とオフ会
二人が愛する小説の
大人になって
妹がいちばんの親友になろうとは
両親に溺愛され
嫉妬するより前に
その可憐で愛らしい姿に
私も彼女を愛した
彼女の奔放さに振り回された子供時代
夕方は毎日 彼女を探しに行く
彼女の失敗は私の管理不行き届きと
母から叱責され
いつか母とは静かな壁が生まれ
二十歳を過ぎて私は家を出た
電話越し 泣いてくれたのは妹だけ
その美貌を羨んだけれど
彼女は自分の顔が何より嫌いだった
他校の男子が見に来るほどだった彼女は
卒業アルバムの自分の顔全てに
黒い紙を貼っていた
私が欲しかったものは彼女には重荷で
彼女の暗闇を知ってから
私たちは
本当の姉妹になった気がする
今では妹を喪う想像だけで泣いてしまう
私のほうが先に召されますように
それだけは心の底から願っている
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