私の夜/秋葉竹
 



夜に溺れないように
アスファルトを砕く勢いで
懸命に
駆けた

『オレは
夜など駆けない
幸せな未来に賭けるだけさ』
と嘯いた
奴の眼差しはすこしシンとして

私は
『私の夜』を
楽しむように
懐かしむように
粉々になるまで
砕いて行った
砕いて回った

『私の夜』は
すこしだけゆっくりと
回ってくれているようだった








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