薊/リつ
 
   《薊など などか忘れ賜ひしか
         君に問ふらむ こころのゆくえ》


あなたはもう
私という毒草を忘れてしまったの?

何年でも何十年でも待つと言って下さった
そのお心さえ
忘れてしまったの?

私が唯一
愛を告げたいのは
あなただけ

私の醜さを知りつつ
真っ直ぐに愛してくださった
あなただけ


私という毒草がつけた君の傷は
私という薬草が治します




   《君だけは薊を摘んでも罪問わぬ
          毒草のころ 我 愛でたれば》
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