執着を消し去る入魂トロールマシン 〜トロールの神話〜/菊西 夕座
 
「くうみ」が空っぽの身だからといって無意味などころか最大のより所にもなる
ということで神は服をお脱ぎになって今夜はすっかり「くうみ」となりおおせた
神の不在をなげくどころか不在にこそ神の裸体があることを星ぼしは知っている
ということで「くうみ」を「かみ」と短縮形で発音することに快感すらおぼえる

ジャストフィットの「かみ」にもはや付け入る空身はないかといえばそうでもない
まだ神の脱ぎ捨てた服にわたしたちの街も希望も天国もびっしりこびりついている
だがその服に神の不在が含まれているからといって「くう」をかぎつけてはいけない
神の不在をなげくどころか不在にこそ神の裸体があることを死者た
[次のページ]
戻る   Point(4)