夕焼け電車/
花野誉
少し混むH電車
夕陽がまぶしくて
目があけられなかった
背の高い彼には
夕陽は見えていない
おもむろに
リュックから取り出したノートを
私の顔の前にかざした
夕焼け色が
私の顔から消えるまで
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