窓を開ければ/笹峰霧子
窓を開ければ網戸越しに
葉桜になりかけの桜が見える
ひらりとひとひら落ちて
また落ちた
落暉が迫っている空は
枝先の向こうでまだ光を失ってはいない
今日の昼間に受けた知らせに
ショックが大きくて
暫く時が止まり
涙が込み上げてきた
貴女が私を支えてくれたので
やっと仲間に入れたというのに
もしもこのまま貴女がいなくなったら
私は頑張れるだろうか
命だけでも助かればと親類の医師が言ったと
まだ確実な病状はわからないと
でも貴女は神に祈っているだろう
私は呆然として祈ることも忘れている
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