霊の汀、No Quarter/ひだかたけし
くすりと笑う君の
世界はとっくに
喪失されていたんだね、
くすりくっすり ひっそりと
剥き出しの硝子窓の枠組み震え
余りに露骨なままそのままに
外界に曝された君という
漂白され切った世界
ひゃっとしながら
その瞬間、また瞬間、
窓際に二人で寄り添いながら
ただ互いの血を寄せ合い
喪失された世界を前にして
喪失される君を予感して
未だ内から沸き出る熱を浴び
自らが自らを創り出すことだけ
ただそれだけは解っていた
心の奥底のこの魂の
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