星に願いを/瀬田行生
 
「流れ星に願いをかけて」
「それが 流れ星に もう一度 流れて って願いで」
「また 流れた流れ星に」
「また 同じ願いをかけて」
「・・・ずっと繰り返したら どうなるのかな?」
君がふと溢した

「そしたら その流れ星を見てる人の願いが叶い続けて 素敵じゃない?」



でも、それじゃ、君の願いが叶わないじゃないか

外気は冷たく 吐息は白く 長く 長い沈黙の後
僕が何か言うより先に



「そっか、そのうち、夜が明けるんだね、きっと」



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