レビュー:原口昇平
undercurrent, 底流……。ジャズ・ピアノとギターそれぞれの名手がからみあわせる音の流れ。繊細な音色。ビル・エヴァンスをまだ聴いたことがなかったころ、CD屋の棚に並んだ彼のたくさんのアルバムを前にして呆然と立っていたぼくは、いったいどれから入り込んでいけばいいかわからなかったものの、一にも二にも美しいジャケットにひかれてこの一枚を選びました。その日のうちに、水面下にゆらめくような深みを帯びたふたりの演奏の虜になりました。夜、明かりを消して、好きなお酒を片手に酔いしれたい名演。